コロナ子

 機械式駐車場の操作説明の仕事を恐々している。
新しいマンションの出来具合に期待を込めて客は訪れる。
「おはようございます」「おめでとう御座います」と威勢の良い声で出迎えられる。
以前なら受付を済ませ、入り口のインタホン、自転車置き場、駐車場、部屋内の設備等々の説明に入るのだが、昨今では、まず検温、手の消毒。マスクの確認、
手袋まで渡す事もある。
無論、我々もマスクは当然である。
若い夫婦が両親と来ることも多い。全員マスクである。
そんな中、赤ちゃんを連れて来ると周りが「わぁ~可愛い」とか言ってあやすのだが、皆マスク姿。
赤ちゃんはジッ─と顔を見つめる。時には笑ってくれる。
そんな時は本当に可愛いものである。
赤ちゃんは、顔の中の目や口の動きで色々学習しているのではないだろうか。
私は3人の孫に恵まれ、乳幼児をあやす自信はあるのだが、
最近笑ってもらえる事が減った様に思う。
「変なオッサン」と言った感じで、ただジッと見つめられるのみ。
(変なジィジという者も…)
口が見えぬとどうなるのか・・・と心配しながらも、話しかけるのだが…。
幼い時期をこんな環境で育ち、将来に表情や言葉に異変が起こらねば良いが…。
褒めると親は喜んでくれるのが救いだ。