ボケの功名

 紅葉を求めて向日神社に向かう、がっかり ちと早すぎた様だ。
栗や松茸を並べた店を覗きながら食事処を探す。
やっと見つけた蕎麦屋の暖簾をくぐる。15席ほどが満席、待つこと10分で席に案内される。
「注文受けてから蕎麦を茹で てんぷらを揚げるので時間をください」と書いてある。
向日町は歴史の街、帰りにちょっとぶらつくか‥と話しながらビール1本飲み終えても
注文したそぼろ丼・蕎麦定食は出てこない。
入り口には次々と来客、10人ほど並んだ頃、やっと料理が運ばれた。
旨い、蕎麦も鳥そぼろも、大満足で勘定は2580円、気に入ったと千円札3枚。
「ちょっと待って」小銭があるかも、と小銭入れを取り出したとこまでは覚えている。
 店を出て、以前歩いた西国街道を横切り適当に阪急西向日駅に向かう。
史跡公園の入り口に小さな建物を見つけ、掲げられた案内を読んでいると、
中から説明員が出てきて丁寧に説明。
ここは長岡宮朝堂院跡 国家の政務・儀式を行う中心だった事、
栄えたのは千年の都平安京に遷都されるまでの10年間。
ここから北へ200m程のところに大極殿跡があると説明。
私らはそちらから来たのだが、気が付かなかったと言いながら
何気にズボンの後ろポケットに手が行き、財布が無いことに気付く。
案内の方の応援を得ながらやっと蕎麦屋に電話、「預かってますよ」の返事。
ホッとして大極殿跡をゆっくり見学して蕎麦屋へ戻る。
忘れたお陰で見逃した史跡を見学できた、ボケの功名か。
いやいや呑気な事を言っているが、これからは気を付けねば。

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写真右:親切な説明員に出会った朝堂院跡
写真左:大極殿跡