友人と昼食をともにし、うっかり楊枝をくわえたまま地下鉄に向かう。
ホームに降りると人身事故との放送、人でいっぱい。
それでも電車は間もなくやって来た、くわえた楊枝はポケットにしまう。
目的の駅で下車、トイレに行った友人を待っていると「中にゴミ箱があるよ」と知らせてくれた。
「なんで…」と尋ねると、「楊枝の捨て場を探してたやろ」と返事が返って来た。
ポケットの楊枝の事はすっかり忘れていたのだ。
友人も口中で楊枝を半分に折り、そのまま口にしまっていたらしい。
しかし器用なものだ。口の中にしまっておくとは…、これなら捨て忘れも無いだろう。
品行方正な二人である。
上品で気遣いの効く友人を持つことに、誇りと喜びを感じる。
品行方正
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