冬を見た

 JR茨木駅前の陸橋上、朝10時過ぎ、2才ぐらいの子が壊れた雨傘を引きずりながら、裸足でヨチヨチ歩いている。
今日の気温は一桁、真冬の寒さだ。「元気な子やなあ~」と思わず声を掛ける。
しかし親らしき姿が見当たらぬ、しかも良く見ると下半身裸同然の、ずり目に履いた紙オムツのみ。
行き会う大人に「バイバイ」とご機嫌で手を振る。
10m程先には5~6名の人だかり。何と もう一人裸足の子、こちらは3才位か、寒さに震えている。
なんとむごい事だ、思わずジンと込上げる。
 自分のコートを掛けてあげる女性、抱っこしてあげる女性、そんな女性5~6人が駅員に助けを求め、
取り合えず暖かい事務所にかくまわれる。
又乳母車を押していた若いお母さんは「オムツが濡れている」と云って、カバンよりオムツを取り出し駅員に渡していた。
救われた思いである。これから彼ら2人を襲うであろう極寒を乗越えて欲しいと祈る。